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月刊 神戸っ子 Vol.506

  • Jupiter International
  • Aug 11, 2003
  • 6 min read

Updated: Dec 31, 2020

 < 西村 隆治 × キラン・S・セティ >

「JCは若手の経済団体 行動力と辛口の発言力を」

震災復興から10年目を迎える2005年に神戸空港が誕生する。20数年前に神戸空港の市会決議白紙撤回を求める運動など、市政に横極的な活動を行なってきたのが、24代理事長の西村隆治氏。一つの経済団体として、その伝統を受け継いで欲しいと話す。

創立50周年に向けて 気持ちを新たに

西村 45周年の式典では、懐かしい顔がたくさん集まりましたね。我々は、JCを卒業して長くなりますが、JCで培った考え方は、常に持っているように思います。

キラン 創立45周年式典は、50周年に向けて、気持ちを新たにする場という思いが強かったですね。今回の式典には650名ほどの方々に来ていただきました。そのなかで、JCとまったく関係のない人は、たったの10数人でした。そういう意味では、本当にオール神戸JCに絞った会だったと思います。JC関係以外の多数の方にお越しいただくのは、50周年のときにできれぱいいと思っています。シニアクラブの皆様にも200名ほど来ていただきました。本当に有り難いことです。いまだから言えますが、大変なプレッシャーでしたよ(笑)。

西村 僕は24代の理事長だったのですが、プレッシャーを感じた記憶はあまりないですね。前年から副理事長として空港問題を担当していたのですが、「海から空へ」というテーマがすでにありましたし、有識者アンケート等、活動をしていましたから。神戸市議会で空港に対する反対決議がありましたが、その材回運動の中心にJCがいたのです。3月に請願書を提出したのですが、5月には反対決議が撤回されました。だから僕が理事長の年は、夕ーゲットが非常にはっきりしていたのです。8月には1日から1週間、『JCウィーク・イン・神戸三夏の集い』というのをやりました。翌年からのサマーフォーラムの原型です。各委員会に対外事業をしてもらったのです。空港間題からまちづくりまで、様々な問題をとりあげました。この当事でメンバーが253人でしたね。このJCウィークに向けて、メンバーの例会出席率を上げていきたかったのです。結果は98%、病院から抜け出してきてくれた人までいました(笑)。

キラン ここ数年、神戸以外でも、JCメンバーの数は減っていく傾向にあると思うのです。全国でも5万人を切っています。神戸だけを見ても、世界会議の頃は450人近くのメンバーがいたのが、いまは250名ほどです。今年はメンバー拡大の活動をしたのですが、経済環境も含めて、積極的に全員が活動してくれるとは限りません。減っていくのはなぜかと考えると、いまは昔に比ぺると、NP0など様々な他団体ができています。商品と考えると、それだけ競争力が上がっていることになります。JCだけに参加している人も少ないと思うのです。だから出席率も70%前後といったところでしょうか。西村 例会出席率については、僕が現役の頃でも、いい年もあれば悪い年もありました。あまり難しく言わなくてもいいのではないかという気はしています。例会よりも委員会の方が間題ですね。委員会にもまったく出てきていないという人は、友人関係が形成されていないと思います。それはちょっともったいないと思いますね。ただ会員が減少傾向にあることは、なにか考えていかなければならないのでしょうね。JCとして質のいい活動を続けていくことが大事だと思います。

キラン それと、JCを経済団体として、再認識してもらいたいのです。横のネットワークを広げていきたいのです。

西村 経済団体として社会活動をしていくという視点は、大事だと思いますね。若手の経済団体なので、他の団体から見ると、やはり行動力と辛口の発言が、期待されていると思います。

キラン 先輩たちがはじめた空港の問題に関しては、まちの有効な資産としての空港を、どう利用するかを議論していきたい。

西村 私も理事長をやる前の1980年に、都市開発の委員長をやらせてもらったのです。提言をいくつかしたぐらいのものですが、そのなかで「パークシティ神戸」というものを提言したのです。後の「ガーデンシティ」と同じ発想ですね。そのときに「都市開発をする心」について、みんなといろいろな議論をしたのです。いま僕は灘区のまちづくり委員会に入っており、また「酒蔵のみち」づくりをしていますが、その基礎をJCで勉強させてもらったと思います。

自然とまちへの感謝の気持ちが大切

キラン 昨年、夏から5月に移った神戸まつりの代わりに、神戸港に感謝をささげ、さらなる繁栄を祈念するために「みなとまつり」を立ち上げたのです。それを継続させていく意味でも、今年はJCで型をつくり、来年以降、誰かが引き継いでいけるような祭にしていきたいと思っているのですよ。

西村 ウォーターフロント開発も、商工会議所の運動の原点になっていますから。これから盛り上がっていくのではないかと思います。神戸まつりも、「神なき祭でいいじゃないか」という意見もありますが、大事なことは、自然に感謝するということだったと思うのです。ただ集まって騒ぐだけでは本当に意味がないですよね。もう亡くなられた方なのですが、世界中を回っていたある商社の方が「世界で一番良いところは、地中海とリオデジャネイロ、そして阪神間」だと言っておられました。それが僕にとっては非常に印象的でした。やはり感謝する気持ちは大切だと思います。だから僕は、神戸の街をもっと美しくしてもらいたいのです。灘区も震災後、まちが汚かったのですが、区民全体で第3火曜日に掃除することにしたのです。それには高校生、中学生も参加してもらっているのです。大人と子どもたちにもまちに誇りをもってもらいたいと思っています。

キラン 僕らが子供のときに、親がしてくれたことを、いまの小学生はやってもらっていないように思うのです。子を持つ親にもっとまちのことを知ってほしいですね。西村 いまのJCが取り組むべき問題のひとつに、教育問題があると思うのです。

何らかの形で、教育問題に対して、JCから辛口の堤言をしてほしいのです。

キラン 今年は、具体的な青少年育成事業がないのです。それには理由があって、子供たちの前にまず親に教育への意識をしてほしいという思いの方が強かったからなのです。それも人の親に何かを言う前に、まずはメンバーから認識していってほしいのです。そういう意味もあって、家族交流事業をメンバーに企画してもらうことになりました。子供と触れ合う機会をつくって、

それが青少年事業の新たな一歩になると思うのです。

西村 それから、教育問題の他に、もう一つ取り組んでもらいたい事として、行政改革、地方分権の問題があります。日本JCが一番やらなけれぱならない問題だと思います。分権は進んでいきますから、その時にどうしていくのかを考えなければなりません。JCのメンバーは、レベルの高い人が集まっていると、僕は思っていますから、他ではできない提言をしていってほしいですね。

キラン・S・セティ ピッツパーグ大学経営学修士修得。 (株)ジュピターインターナショナルコーポレーション取締役専務。 2003年度、(社)神戸青年会議所第45代理事長。

秋田 博正 1945年生まれ。1973年京都大学大学院法学研究科博士課程卒。 74年沢の鶴株式会社入社。84年、代表取締役社長就任。 神戸経済同好会常任理事など多数歴任。

 
 
 

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