top of page

Information & Culture(神戸新聞情報文化懇話会) No.204

I&Cさろん

「大局を見て、地域に貢献できる活動を」

何年か前に、インドのタージ・マハルへ行ったことがあります。その壁を近くで観察すると、神業とも思われる精巧な細工に魅了されました。大理石の白い壁には複雑な花模様、幾何学模様、象眼細工の文字が組み込まれています。それを完成させるのに22年もの年月を要したそうです。しかし、タージ・マハルの細かい彫刻は、間近で見ると豪華ではあるにしても、本当の美しさを理解するには、構造物から100メートル以上

離れた場所から眺めなければなりません。正門から庭園越しに見るとタージ・マハルは、ほとんど超現実の感を呈しています。左右対称の建物と白大理石に陽光があたり、その光景は、この世のものとは想像もつかない畏敬の念すら抱かせるのです。

タージ・マハルを味わうのと似ていますが、生命の本当の美しさを理解するには、

あわただしい日常生活から離れなければなりません。トップに登りつめて、目標に到達する課程は興奮するものであり、細部に集中力を必要としますが、我々は時には後ろにさがり、登る道程を楽しむことを忘れてはなりません。多くの人々は、目標と夢を追求することに注意を注ぐのに一生懸命で、立ち止まって、目標を達成した喜びを味わうことをしていないのではないでしょうか?時には後ろにさがってみるか、あるいは、些細なことに固執するのをやめて、日常生活で見つけることのできる美しい場面を楽しみ、愛でる時間を持ってみて下さい。

私達は目標や夢に到達するために、常に正しい方向に進んでいるとは限りません。時にはゴールに到達し、名声を得ることに固執するあまり、本当のゴールに到達しない道を歩む恐れもあるのです。そのような時、人は成功へのアドバイスに耳を傾けないものです。現在のスキルやレベル、あるいは競争している市場が間違っていないかを冷静に立ち止まって考えてみることもせずに、私達は力強く自分の立場のみを主張するのです。

本年度、神戸青年会議所では 「Think Globally, Act Locally-Creating Leaders for Positive Change-変革の風を国際都市神戸に-」を基本方針に掲げております。つまり、世界的な広い視野にたって物事を考え、地域のために活動するということです。

物事を行うには、細部に目を奪われがちですが、それでは小さな事しか成し遂げられません。私は対局を見ることで、大きな事業を行っていくことができると信じています。世界的な感覚をもったリーダーの育成や経営研修、国際港神戸の繁栄を祈る集客イベントの開催など、世界からも注目される活動で、地域に貢献していきたいと願っております。

Featured Posts
Publications 著書・共著書

キラン・セティ 初著書


「驚異の超大国 インドの真実」
インド人だからわかる!
ビジネスの将来性と日本人の大誤解

購入はこちらから

「ビジョナリー・マーケティング 

Think Differentな会社たち」

共著 キラン・S・セティ

購入はこちらから
Archive
bottom of page